ヴィエンチャンのランドマーク、パリの凱旋門を模したというパトゥーサイから眺めたヴィエンチャン。高層建築が全く無い。
このブログも中国による政治的圧力(笑)により更新が滞っていたが、やっと今これを書いている時間に追いついた形になりホッとしている。
今回は、今滞在中の国「ラオス」について。
と言ってもバスで途中休息したところとヴィエンチャンしかしらないが、私の知る範囲でどういうところか説明しよう。
「何にもないところ」
である。まあ良く言われることだが。
なにしろ、やることが無いのだ。
今の私の標準的な一日を書き出してみよう。
朝、9時頃に目が覚める。でも店はまだ開いていない時間だ。ぼーっとしているうちに食堂が開く時間になる。
食事はほぼ毎日同じ食堂でとる。私が現在宿泊している「saysouly guesthouse」の左斜め前のお店だ。
この食堂は、オススメ。
まずお店の人たちがみんな気さくでくつろげる。さりげなく他の旅行者に紹介してくれたりするから自然と知り合いが増える。
そしてもちろん、料理もgood!である。
焼き飯やらラープ(挽肉のサラダ。ライムとミントが利いて美味)やらを食べ、ビアラオを飲む。
日本を出る前にいろんな本やブログで「ビアラオはおいしい」と書いてあるのを見て楽しみにしていたのだが、
いやあ、本当に旨い!
この写真は行きつけの食堂ではなく別の店で撮ったもの
ずっと「ビールを冷やす習慣の無い国」中国を旅した後だけになおさらである。
食堂の値段で大瓶1本10000キップ(120円くらい)というのもいい。
ラオスに来てからは、朝と無く、昼と無く、夜と無く、ビアラオ、ビアラオ、ビアラオである。
始終、軽く酔っ払っている状態というダメ人間っぷり。
食べ終わって、昼間っからほろ酔いで街をぶらぶら。しかし特に行くところはない。他にすることがないから、ぶらぶらするのだ。
ヴィエンチャンの街角にはいたるところにトゥクトゥクの運転手が暇そうにしており、旅行者が通ると真昼間だというのに「Do you want lady?」と手招きしてくる。
こちらが「No!」と笑顔で手を振ると、向こうもにっこりして手を振り返してくる。商売にならなくても、ムッとしたりしないのだ。
スーパーを見たり町並みを観察したりするが、繁華街自体の規模は小さいのでわりとすぐ見終わってしまう。
それで宿に帰るが、特にすることは無いので宿のベランダでぼーっとするうち夕方になる。
夕方のヴィエンチャンの楽しみと来ればメコン川の夕陽鑑賞である。
日中や夜はメコン川沿いの道路にそんなに人はいないのに、夕方だけは人が集まってくる。
地元の人にとっても、メコン川の夕陽はけっこうな娯楽なのだ。
今は雨季のせいか、晴天の夕暮れというのにまだお目にかかったことが無い。
しかし、天気によって毎日違う表情を見せ、飽きさせない。
日が沈みきったらメコン川のナイトマーケットをひやかす。
このマーケット、規模は小さいがたいへんにオススメである。
なにしろ、怪しさ満点なのだ。
アンドロイドで動くノキアの携帯とか、中国製のカシオの時計の偽物(300円くらいなのでこれは買ってしまった)等が売っていてそれだけでも十分怪しいのだが、
一押ししたいのはこういう「縁起物屋(?)」
お守りとか仏像とか、神聖なのか怪しいのかギリギリの品揃え。
こんな卑猥な神像(?)もある。
その中にこんな汚い(失礼)ミイラのような像が。
なんなのか全く不明。ラオスの人にとってはありがたいのか。
これなんて、完全に諸星大二郎の漫画の世界。
そういえばこのナイトマーケット自体、諸星大二郎の作品に出てきそうである。
しかし、実はヴィエンチャンに到着当日、もっと怪しいものをこのマーケットで見たのだ。
あまりの怪しさに圧倒されて写真を撮れなかったのだが。
それはトカゲのミイラ(干物?)である。ただのトカゲではない。尾が二股、あるいはそれ以上に枝分かれしているのだ。
尾が分かれている→珍しい→縁起物という思考なのだろうか。
しかしまあ結局干物なので、売りものなのに蟻なんかがたかっていたりしたのだけど。
これを買うのはどんな人なのだろう。
しかし到着初日に見て以来、何度もナイトマーケットに来ているのだが、そのトカゲを売っていた店を二度と発見することができないのだ。
夢だった?と疑ってしまうほどの怪しさである。
食堂で夕食。焼き飯やらラープやらを食べ、ビアラオを飲む。この辺、朝と同じなので割愛。
食べ終わって宿に帰るが、することがないのでベランダでぼーとする。壁や天井にヤモリが数匹這っている。
ヤモリって「けっけっけっけっ」て鳴くんだ。ふーん。
その後、部屋に戻って寝る。
以上のサイクルにときどき、たまには違う食堂で食べてみようかとか、タラートサオ(マーケット)行ってみようかというような、それほどアクティブではないイレギュラー活動が割り込んでくる。
基本的には寝るか、食べてビール飲むか、ぼーっとするばっかりでほとんど行動していない。
まあブッダパークへ行くとかトレッキングツアーに参加するとか、なにかやる気なら何かあるみたいではあるが、そういうアクティブなことをしたくなくなるような物質で空気が満たされているのでは、と思えるほどに何もする気が起きない。
「何もしないこと」の贅沢さを、生まれて初めてこの国で教わっているような気がする。
次回は私にとって非常に迷惑なラオスの「オカマ」問題について取り上げてみたい。